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入力概念選択モジュールの実装

  • 2008-05-28 (水) 23:40

入力概念選択モジュールの実装として,入力概念選択パネルを実装した.図1 に入力概念選択パネルを示す.入力概念選択パネルでは,入力語と参照オントロジー中の概念との対応付けを行う.語には多義性があり,ある入力語を見出しとして持つ概念が複数存在する可能性がある.入力概念選択パネルでは,対象領域にとって最も適切な入力語に対応する概念を選択する際の支援を行う.以下に入力概念選択パネルの各部分の説明を示す.

図1: 入力概念選択パネル
(1) 用語リスト
入力語彙の中で参照オントロジー中の概念見出しと完全照合または部分照合した用語のリストを表示する.
(2) 概念リスト
(1) で選択された語を見出しとしてもつ参照オントロジー中の概念のリストを表示する.
(3) 概念情報
(2) で選択された概念の見出しおよび説明を言語ごとに分類して表示する.
(4) 未定義語リスト
参照オントロジー中の概念の見出しと照合しなかった入力語(未定義語)を表示する.
(5) 概念階層
(2) で選択された概念の参照オントロジー中の概念階層を表示する.
(6) 入力文書
(1) で選択された語の入力文書中の出現箇所を表示する.
(7) 階層構築オプション
階層構築における条件を設定する.

用語リスト

図2 は図1 (1) 用語リストを拡大した図である.以下では,入力概念選択パネルの用語リストの各部分について説明する.

図2: 入力概念選択パネル:用語リスト
  1. テキストフィールドに検索キーワードを入力し,検索ボタンを押すと(2) および(3)の完全照合語リストおよび部分照合語リストに検索キーワードを含む入力語のみが表示される.
  2. 完全照合語リストを表示する.1 番目の括弧内には,入力語を見出しとする参照オントロジー中の概念の数が表示される.システムが自動的に追加した入力語は,2番目の括弧内に「自動追加」と表示される.
  3. 部分照合語リストを表示する.1 番目の括弧内には,部分照合語を形態素解析し,各形態素を「+」記号で結合した結果が表示される.2 番目の括弧内には,参照オントロジー中の概念の見出しと照合した部分照合語内の語が表示される.3 番目の括弧内には,2 番目の括弧内に表示された語を見出しとする参照オントロジー中の概念の数が表示される.
  4. 完全照合語リストに関する設定を行うことができる.
    1. 「意味数」チェックボックスは,完全照合語リスト中の各語を見出しとする参照オントロジー中の概念の数を表示するかどうかを設定するオプションである.
    2. 「システムが追加した入力語」チェックボックスは,システムが自動的に追加した語かどうかを完全照合語リスト中の語に提示するかどうかを設定するオプションである.部分照合語の中で参照オントロジー中の概念と照合した語を,ユーザが入力語として追加していなかった場合に,システムはその語を自動的に完全照合語として完全照合語リストに追加する.例えば,「資格取得日」をユーザが入力語として選択した場合,「資格取得日」自体は参照オントロジー中の概念の見出しに存在しないため,部分照合語となる.「資格取得日」の「日」に対して部分照合したとする.ここで,ユーザが「日」を入力語として選択している場合には問題ない.しかし,「日」をユーザが入力語として選択していなかった場合には,「日」が自動的に完全照合語リストに追加される.システムが自動的に追加した語には,「(自動追加)」と表示される.
    3. 「入力概念選択結果を対応する部分照合語リストに適用」チェックボックスは,完全照合語の入力概念選択結果を,その完全照合語に照合した部分照合語リストの入力概念選択に反映させるかどうかを設定するためのオプションである.例えば,完全照合語「日」に対して入力概念選択を行った結果を,部分照合語リスト中の「資格取得日」や「研究日」などにも反映させるかどうかを設定することができる.
  5. 部分照合語リストに関する設定を行うことができる.
    1. 「意味数」チェックボックスは(4) の完全照合語リストのオプションにおける「意味数」と同様である.
    2. 「形態素リスト」チェックボックスは,部分照合語を形態素解析器で形態素に分割したときの分割のされ方を表示するか否かを設定するためのオプションである.このオプションを有効にした場合,例えば,「資格取得日」に対して,「(資格+取得+日)」が表示される.「+」記号は形態素の区切りをあらわす.
    3. 「照合結果」チェックボックスは,部分照合語の形態素リストの中で,参照オントロジー中の概念と照合した形態素リストを表示するか否かを設定するオプションである.このオプションを有効にした場合,例えば,「資格取得日」は,「日」で照合しているため,「(日)」と表示される.
    4. 「選択中の完全照合語に対応する複合語のみ表示」チェックボックスは,完全照合語リストで選択した語を照合語とする部分照合語のみを表示するか否かを設定するためのオプションである.このオプションを有効にした場合,例えば,完全照合語リスト中の「日」を選択した場合,「資格取得日」や「研究日」など「日」と照合した部分照合語のみが部分照合語リストに表示される.
  6. 入力語の追加および削除を行うことができる.

概念リスト

図3 は図1 (2)「概念リスト」を拡大した図である.

図3: 入力概念選択パネル:概念リスト

概念リストは,図2(2) または(3)で選択した完全照合語または部分照合語を見出しとして持つ参照オントロジー中の概念のリストを表示する.図3は,「住所」を見出しとして持つ参照オントロジー(この例ではEDRを参照オントロジーとしている)中の概念リストを示している.リストの項目は,三つの部分から構成されている.左側は,入力モジュールの設計で述べた,自動概念選択方法により求めた,入力語に対応する概念候補の評価値を示す.入力語に対応する概念候補は,評価値の降順に並び替えて表示される.評価値が高い概念ほど,より入力概念となる可能性が高い概念となる.中央は概念のID をあらわす.概念のID はURIで表され,画面上には修飾名が表示される.edr はEDR の名前空間接頭辞を示しており,ここで表示される接頭辞は,オントロジー選択モジュールの実装 図6(2)で示した名前空間テーブルで設定した名前空間接頭辞となる.右側には,概念の見出しが複数ある場合,そのうちのいずれか一つが表示される.

概念情報

図4 は図1 (3)「概念情報」を拡大した図である.

図4: 入力概念選択パネル:概念情報

「概念情報」には,図3の「概念リスト」で選択された概念の見出しと説明が表示される.「言語」リストで選択した言語の見出しおよび説明が「見出し」リストおよび「説明」リストに表示される.図4下部の「構築オプション」では,概念階層の構築方法を設定することができる.「構築オプション」には,図2 「用語リスト」で選択する用語の種類に応じて3 種類の表示方法がある.図2 (2) で完全照合語を選択した場合,図4左側のように「構築オプション」には何も表示されない.図2 (2)でシステムが自動的に追加した完全照合語*1(「自動追加」が表示される完全照合語)を選択した場合には,図4中央のように「構築オプション」には「下位概念に置換」するかどうかを選択するチェックボックスが表示される.図2 (3)で部分照合語を選択した場合には図4右側のように「構築オプション」には,「同一概念」か「下位概念」かの選択をするためのラジオボタンが表示される.

図4中央の「構築オプション」の例として,「資格取得日」のみを入力語とした場合を考える.この場合,「資格取得日」は部分照合語となり,「日」と照合するため,「日」はシステムにより自動的に完全照合語リストに追加される.「日」の入力概念選択を行う際に,図4中央の「構築オプション」として「下位概念に置換」というチェックボックスが表示される.ここでは,「日」はシステムが自動的に追加した語であるため,ユーザがあえて「日」を入力語としなかったのか,入力語にし忘れたかの確認をしている.ユーザがあえて「日」を入力語にしなかった場合,概念階層中に「日」は含まれるべきではない.「構築オプション」の「下位概念に置換」をチェックすることにより,「資格取得日」は「日」の下位概念とはならず,概念階層中に表示されない.ユーザが「日」を入力語に追加し忘れた場合には,「構築オプション」の「下位概念に置換」にチェックをいれなければ,「資格取得日」は「日」の下位概念として概念階層が構築される.

図4右側の「構築オプション」の例として,「日」と「資格取得日」を入力語とした場合を考える.上記と同様に「資格取得日」は「日」で照合する部分照合語である.「資格取得日」の入力概念選択を行う際に,図4右側の「構築オプション」が表示される.「同一概念」のほうを選択した場合は,概念階層構築時に「資格取得日」は「日」と同一概念として扱われる.つまり,「資格取得日」は「日」概念に対応する参照オントロジー中の概念の別見出しとして概念階層が構築される.一方,「下位概念」のほうを選択した場合は,「資格取得日」は「日」とは異なる概念,ここでは,「日」の下位概念として概念階層が構築される.初期状態において,部分照合語を「同一概念」とみなすか,「下位概念」とみなすかは,オプションダイアログにより設定することができる.

階層構築オプション

図5 は図1 (7)「階層構築オプション」を拡大した図である.

図5: 入力概念選択パネル:階層構築オプション

「階層構築オプション」では,クラスおよびプロパティ階層構築モジュールにおいて,クラスおよびプロパティ階層を構築する際のパラメータの設定を行う.「階層構築オプション」は,「完全照合オプション」および「部分照合オプション」から構成される.

図5の「完全照合オプション」では,完全照合語リストから概念階層を構築する際の設定を行う.「構築」チェックボックスでは,完全照合語リストから概念階層を構築するかどうかを選択する.「剪定」チェックボックスでは,概念階層構築時に剪定を行うかどうかを選択する.「参照オントロジーの概念見出しを追加」チェックボックスでは,概念階層構築時に,各概念の見出しとして,入力語として与えた語のみを概念の見出しとするか,対応する参照オントロジー中の概念の見出しをすべて利用するかどうかを選択する.

図5の「部分照合オプション」では,部分照合語リストから概念階層を構築する際の設定を行う.「構築」チェックボックスでは,部分照合語リストから概念階層を構築するかどうかを選択する.「剪定」チェックボックスでは,概念階層構築時に剪定を行うかどうかを選択する.「抽象概念を追加」チェックボックスでは,部分照合語リストから概念階層を構築する際に,語頭による階層化を行うかどうかを選択する.このチェックボックス右側のテキストフィールドには,いくつ以上グループ化できる場合に共通の上位概念を挿入するかを設定する.

図5右端にある「クラス階層構築」ボタンを押すと,上記の階層構築オプションに基づいて,クラス階層構築パネルにクラス階層のみが構築される.「クラスおよびプロパティ階層構築」ボタンを押すと,上記の階層構築オプションに基づいて,クラス階層構築パネルおよびプロパティ階層構築パネルに,クラス階層およびプロパティ階層が構築される.クラス階層とプロパティ階層の両方を構築するためには,参照オントロジーとしてEDR一般辞書またはプロパティ階層を含むOWLオントロジーを設定しなければならない.

注釈

  1. 部分照合語の照合部分の語をユーザが入力語としていない場合には,システムは自動的にその語を入力語として追加する.これを完全照合語(自動追加)と呼ぶ.

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